津田伊紀子句集『涼しき灯』

  • 2010/05/16(日) 09:51:28

【津田伊紀子句集『涼しき灯』】

津田伊紀子句集『涼しき灯』平成二十二年四月 ふらんす堂

「夏潮」の仲間で、「花鳥来」にも所属されている、津田伊紀子さんが第一句集を出
版されました。

吟行会や稽古会でご一緒させて頂くと、落ち着いた写生の効いた佳句を残される方で
す。

今回は、俳句を深川正一郎先生の下で習い始めた、昭和二十六年から平成二十年まで
の三四四句を収録。

以下に印をつけた句の中から二十句掲載します。

お人柄なのかとても落ち着いた俳句が多いです。こういうのを、つまらないと思わ
ず、面白みを分る俳人になりたいです。

●昭和二十六年〜昭和六十三年
セーラーのネクタイ青く入学す
真つ直ぐに焼かれし毛虫落ちにけり
立て掛けて貼るばかりなる障子かな
ウインドに走る機関車クリスマス

● 平成元年〜平成九年
夕立の通り抜けたる陶器市
竿燈の息をのむ間に立ちなほり
峨々としてうすうすと山粧へる

●平成十年〜十二年
函館や地図のかたちに涼しき灯
新涼の雨まつすぐに山の宿

●平成十三年〜十四年
べたべたと大紅椿落椿
露けしや駒草石に囲まれて

●平成十五年〜十六年
凍港へ航跡青く戻りけり
黒鳥の首しなやかに梅雨明けし
バスに手をあげて横切る焼藷屋

●平成十七年〜十八年
福引のはづれの玉の弾け出づ
秋天へ山車の人形打ちたてし

●平成十九年〜二十年  
紅梅や精養軒がその上に
繰返し師の語らるる虚子忌来る
胡麻干して島の日和のつづきをり
枯草の禾が箒にひつかかり



20100516095128

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